シュワリズム宣言

■某Hからの宿題本「イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史 上: 血塗られた諜報三機関」読み始める。

 俺は第二次大戦前の歴史に疎い。
なので、イスラエル建国についてほとんど知らない状態で読み始めたのは悪かった気がする。

 

名前なり地名なり組織名なりの聞いたことない固有名詞が次々登場するので読み進めるのがキツイ。4~5章ぐらいからやっと「モサド」とか「PLO」の「アラファト(作中ではアラファート表記)」とか、俺の知ってる単語が出てきて読みやすくなってきた。

 

まだ上巻の半分程度しか読んでないが、なかなかスゴイ本である。
というか、やっぱイスラエル含めて中東は滅茶苦茶だよ。
現在のイスラエルの人口や経済規模からいえば、愛知県か神奈川県レベル。
一昔前はおよそ兵庫県ぐらいと言われてた。
武闘派のヤクザが全方向敵にして建国していったのがイスラエルの歴史だよなぁ。。

 

確か、イスラエルはもともとイランとは仲が良かったはずだ。
それをアメリカが石油利権でイランに手を突っ込んだせいでイランがアメリカを敵視する一方、アメリカはイスラエルパレスチナ側とも裏から表から手を突っ込んで滅茶苦茶に。。

いや、そもそもはイギリスのいわゆる「三枚舌外交」に原因が…

 

ゴルゴ13を読んでたら、マンガとは言えこんなに次々暗殺してたら世の中、北斗の拳状態になっちゃうだろ?と思ってたが、実際はもっと酷かった
要人含め一般人殺しちゃいました、いや、そもそも人違いで殺しちゃいました、いや、いっそのこと村ごと焼き払っちゃえ!という事例が山のように書かれている。

 

もう復讐の連鎖でとりとめがない。
何が悪いとか云々というよりも"復讐は善"という動機ですべてが泥沼化している。
人権という西欧型イデオロギーイスラエルアラブ諸国も基本、ない。

 

良識派的に言えばシオニズムムスリムの両方から見るべきだろう。
ただし現実には不可能で、アメリカのように第三者、第三国は自国に利益をもたらす道具としてこの泥沼を利用するしかない、というのが実情だろう。

国家とは何か、国民とは何かと考えさせられる。

 

以前どこかで、無差別テロの起源は日本の左派ゲリラ、というのを聞いたことがあったが、本書でも突然日本人左翼ゲリラが空港で無差別発砲しまくったことが、かなり前半にサラッと記載されている。

 

 

■島袋全優「腸よ鼻よ」2巻まで読む。

あの安倍晋三と同じという1万人に1人の難病、潰瘍性大腸炎を患った作者の闘病マンガ。
水も飲めないほどのキツイ病らしいが、逆境を逆手に取ったギャグが面白い。

 

闘病記モノでギャグとして笑える、というのは少ない。
たむらあやこ「ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!」ぐらいしか思いつかない。

 

 

マクレーン「怒りのロードショー 3巻」ついに完結した。

映画好きなら、たまらんマンガ。

逆に映画に興味無い人は内容を理解することもできないマンガ。

セリフに映画タイトルが山のように出てきて、全編何らかの映画のオマージュであるのは、わかる人だけわかればいい、というマンガ。

 

素晴らしいのは、映画であればプリキュアだろうが黒沢だろうが同じく楽しむ姿勢である。
本作の名言「シュワリズム宣言!」は、アーノルド・シュワルツェネッガーが出演する全ての馬鹿映画に捧げる愛に満ちあふれている。

 

ちなみに、本作に登場する"映画通ぶった嫌な奴=村山"はまるで俺自身を見ているようである。
その村山ですら、ある種のハッピーエンドをむかえた物語は良かった。

 

こーいう、映画タイトルを怒涛に並べて物語を構成するというマンガも珍しい。
さらに上をいくマンガとしては
原作:ウエハラシホ/作画:藤野ハルマ「タイトルが決まらない(仮)」

magcomi.com

このマンガに登場する固有名詞は、映画・マンガに限らずあらゆる文芸作品、ゲームにまで及び、はじめのほうは俺もおおよそわかったが、最近の話はほとんどついていけないのが悲しい。。

カレー専門店 円山教授

youtube「カレー専門店 円山教授。」が面白いのでたま見る。
実際に北海道でカレー店を営む経営者による、飲食店経営に関する動画。


かなり具体的な細かい数字をもとに、安売りの(客単価を下げる)危険性とか、経費における家賃の許容範囲とか、あるいは実際にあったクレーム処理の話などなど。

俺は飲食の経験はないが中小企業経営者なら皆、興味深いんじゃないかな。

 

…その円山教授とは全然別だが、ホリエモンの飲食に関する動画がある。
まずはこっちを見ていただきたい。20分ぐらいあってちょっと長いけど。
堀江貴文「新しいスタイルの居酒屋が業界の固定概念を覆す!」


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要するに、飲食やってる奴なんてバカばっかり、という動画である。
・飲食はレッドオーシャンじゃない、ブルー・オーシャンだ。
牛角の社長みたいに少し頭が良いと皆殺しにできる。
・寿司を握るだけならだれでもできる。客に見えるところは役者でOK。

 

それに対する円山教授のコメントがちょっと面白かった。
円山教授「元社長タレントがまたしょーもない事を言ってたお話」


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飲食なめんじゃねぇ!

テメェが寿司屋つくったら隣に俺が寿司屋出してやる!

 

…という怒りのコメント面白いんですよ。俺は。。

テネット、再び

■「テネット TENET」見る。


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劇場で見たけど、もうネットフリックスで見られるとは。。


4人で劇場で見に行って、終わった後は皆、口数は少なかった。
"絵は凄いけど、なんかよくワカンネ"というのが全員の感想だったはずだ。
話が分からない馬鹿は俺だけ…?という疑問はずっと残ってた。

 

ネットフリックスで2回目を見た感想を言わせてもらえば、
絵が凄くて最後まで見ちゃうけど、やっぱり脚本おかしくねぇか?コレ…。

 

オジサンは、最後のドンパチ、何が何だかわからんよ。
時間軸の順行と逆行が同時に挟撃させる理由がわからんし、理屈が合わない気がしてしょうがない。逆行の連中は皆、結果を知ってるわけでしょ?だから…と考え出すといろいろな矛盾が出てくる。
てっきりノーラン監督は理詰めの脚本をつくると思い込んでただけに、なんか考えただけ損、というのがなんか損した気分になる。。


■「戦場のピアニスト


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だいぶ前に見て、イマイチ良さがわからないと思ってたので再度見てみた。
監督がポランスキーだったのをはじめて知った。

 

確かによくできてるけど、評価が高すぎる気もする。
絶対悪のナチスの蛮行をこれでもかと描いた映画だからだろうなぁ。。

 

しかし、ナチスによるユダヤ人犠牲者の数が終戦後より現代に至るまで年を経るごとに増加していることを誰も問題視できない状況こそが問題ではないのか?現在、ユダヤ人側の犠牲者数に疑問を呈するような検証はほぼ不可能である。これは日本軍による南京事件の犠牲者の数が年々増加する話と同じである。

 

ポリティカル・コレクトネス…だったっけ?
"歴史的事実など存在しない"と指摘したE・H・カーのように、"理解できる人だけが理解できれば良い"、という知の二重性…つまりは"頭が悪い人用の真実"と"頭が良い人用の真実"が異なるという話は歴史に限らず政治や宗教含めて複雑になりすぎて、もはや何が真実なのかは声が大きい奴が決める、というのが"真実"なのだろう。

 

■「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」


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とりあえずアベンジャーズ系は見ておこうかとは思うのだが、もはや子供向けすぎて見るのがキツイ。ま~…世界中の中高生向けに全方面に気を配って物語を作るとなれば、何も尖ったものはできなくなるのは仕方がない。

 

CG、スゴイですよね、と、今回の敵役、ジェイク・ギレンホールは俺好きなんだよね。。ぐらい。。

 

正直、最近のであればアニメ版の「スパイダーマン・スパイダーバース」の方が凄いと思いました。ハイ。

 

NETFLIXのドラマ
■「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」全部見る。


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外人から、面白いから見ろよ!と電話がかかってきたので見た。

1話見て、う~ん…よくできてるけど、全部見る気はないかな。。
と思ってたらまた電話がかかってきて「何話まで見たの!?」とせかされる。

 

4話ぐらいまで見たらハマった。いや、まあ、よくできてるよね。。
カネかかってるし。。

 

■「THE END OF FXXXING THE WORLD」


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外人から、面白いから見ろよ!と電話がかかってきたので見た。
いや…お前は見たのか?とたずねたら、いや、まだ見てないんだよね。。と答える。

 

なんでお前が見てもないドラマ見なきゃいけないの!?と聞いたら、俺の彼女が好きなんだよぉ!と言われて、あまりにも下らない理由なので見てみた。

 

1話見て、なんか…登場人物全員がエキセントリックすぎねぇ?
う~ん、なんか日本のマンガっぽいなぁ。。

 

突飛なキャラクターたちの突飛な言動で突飛な事件が起こる、という展開は、昭和の日本のマンガによくあるパターンである。なにしろ漫画界の巨匠、小池一夫の「劇画村塾」の基本はとにかく"キャラが立ってる"ことであった。

 

ハリウッドっぽい脚本だと、
・突飛なキャラは主人公一人であとは常識人
・常識人の主人公が突飛なキャラに振り回される
のいずれかのパターンである。
このドラマのように登場人物全員が突飛で奇特なキャラ、という設定はまず無い。

 

2話目を見た時点で、カネの単位が"ポンド"だったことからイギリスで制作のドラマだったことに気が付く。イギリスならありえる。モンティパイソンもそうだし。

 

いや~…しんどいなぁ~と思いながら1シーズンを見終わる。

 

ついでに2シーズンをみたら、かなり面白かった。。

「これは2シーズン目を見るために1シーズンが存在する」と外人にメールしたら「それな!」と返事が返ってきた。

ロケットマン

エルトン・ジョンの自伝映画
ロケットマン ROCKETMAN」見る。


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思ってたより良かった。

 

ほぼ全くといって俺はエルトンジョンを知らない。
劇中のエルトン・ジョンの曲で、なんか聞いたことあると思ったのは3曲だけ。
俺の予備知識としてはエルトン・ジョンって、ホモでエキセントリックなオッサンぐらいしか知らなかったが、まあ、大体あってた。

 

ロックスターの自伝映画といえばクイーンのフレディ・マーキュリー
ボヘミアンラプソディー」


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大ヒットした映画だけど、俺はイマイチ面白さがわからなかった。

でも、劇中のクイーンの曲は全部知ってた。
俺はファンというほどでもないが、ベスト盤ぐらいは持ってた。

 

それでも「ロケットマン」の方が良かったかな。
なんでだろう…説明するのがムツカシイけど、
両方ともMTV、ミュージックビデオっぽいつくりだけども、人間ドラマとしてはロケットマンが上だった、感じ、だろうか。

 

なんというか「ボヘミアンラプソディー」は単にクイーンが凄い。
正直、俺としてはクイーンの曲だけで満足で、ドラマはそれを超えるものではなかった。最後のライブエイドのシーンは、当時のクイーンのビデオをそのまま流せばいいじゃないか?と思ったぐらい。

 

ボヘミアンラプソディー」のフレディの苦悩の原因はホモでエイズ。一方、エルトン・ジョンの苦悩は、エイズは無いがホモのうえに家族にほぼ見捨てられたというドラマが重なる。両親、特に実の父親には幼少期から成功した後も全く相手をしてもらえないという苦悩が描かれる。

 

別に苦悩が多い方が勝ち、というわけでもないが、いくら商業的に成功しても満たされない感は「ロケットマン」の描き方が上手かった。

 

そういえば最近、クイーンが新しいボーカルを迎えて再結成したというビデオを見たが、その新しいボーカル、アダム・ランバートホモセクシャルだった。
ロックスターってホモばっかじゃねーか…

環境危機をあおってはいけない

…やっと読み終えた。
ビョルン・ロンボルグ「環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態」
(訳:山形浩生

いや、読み終えたというよりも、一応最後まで目を通した、という感じ。
とにかくボリュームがスゴイし、ある程度はムツカシイ。

 

ざっとまとめると、翻訳者:山形浩生のあとがきの通りで、
まず、環境問題を騒ぐ前にちょっと落ち着け。
んでもって、リスク評価しろ。
ということになる。

 

問題は無いわけではない。飢餓や病気で亡くなる人はゼロではない。
しかし、それらは現代に至るまでほぼ一貫して減少傾向にある

 

熱帯雨林は確かに減少している。しかし、その減少幅はかつて予想されるよりずっと少ない。

 

環境ホルモンや、酸性雨については、現代では"問題などほぼ存在しない"といってよい。なぜ一時的にも大騒ぎしたのか?その反省を生かすべきである。

 

温暖化問題はかなりのボリュームで語られるが、本書の主張を極論すれば、コストがかかりすぎるにもかかわらず効果が少なすぎる。具体的には、5兆ドル費やして、温暖化のスピードを6年ぐらい遅くできる程度である。

 

ならば、違うところにカネをかけた方がいいんじゃないの?
という議論もできるはずだ。

 

例えば、以下のリスクは全て死亡リスクを100万分の1上げる。
A,ワインを0.5リットル飲む(肝硬変リスク)
B,自転車で16キロ走る。(事故リスク)
C,たばこ1本半吸う。(がん、心疾患リスク)
D,整備された病院で一回レントゲンを撮る(がんリスク)
E,喫煙者と二カ月暮らす(がん、心疾患リスク)
F,炭焼きステーキを100枚食べる(がんリスク)
G,マイアミの水道水を1年間のむ(塩素によるがんリスク)
…などなど。

 

まあ、環境問題の多くは、トレードオフの関係にある。
塩素で消毒された水道水にがんリスクがあるからといって、塩素消毒をしなかったペルーではコレラが発生した。

 

農薬が体に悪いからといって完全に規制した場合、主に野菜などの食品は数倍に値段が上がるだろう。そうなると皆、野菜を食わなくなるだろうし、食生活がかなり不健康になるのは間違いないだろう。

 

そもそも農薬が原因でどれぐらいの死者がでて、農薬を規制した場合にどれぐらいのコストがかかって、どのぐらいの人が救われるのかを計算して発言しようよ?というのが本書の主旨である。

※本書の計算によると、農薬が死因となる確率は多く見積もって0.6%だろう、とのこと。

 

まあ、そうだよね、ニッコリ、というのが俺の感想である。

 

自動車には必ず事故のリスクがある。電話には必ず犯罪に巻き込まれるリスクがある。しかし、そのリスク評価は誰もまともに議論しない。

まあ、カネにならないし。

おそらく、クルマも電話も一般的な環境問題よりよほどリスクは高いはずだ。

それに、スマホを使うと馬鹿になるリスクは高いと俺は思うのだが…。

自動運転の疑問

松任谷由実の夫、松任谷正隆の自動車コラムに書いてあったが、
クルマがAIの自動運転になると、ノロノロ運転になるはず。

 

渋滞でもない限り、法定速度を守ってるクルマは少ないだろう。

深夜の高速道路なんか100キロでも追突されそうになる。

 

それがAIになれば法定速度以下になるはずだ。

ただし、そう感じるのは過渡的なもので、いずれAIが多数派になれば法定速度以下が当たり前になって、ノロノロと感じることもなくなるはず。

 

…という松任谷正隆の話は、俺もそう思う。

 

そのうえで、さらに俺が気がかりなのが、狭い道(側道)から太い道(幹線道路)への合流である。


太い道、幹線道路は側道よりも優先される。

法律上"優先"というのは、幹線道路側のクルマにブレーキをかけさせてはいけない。
いくら隙間があるから、ノロノロ運転だからといって側道から出てきたクルマの方が絶対に悪い(責任が重い)のである。

※実際に事故した場合、優先道路側も不注意ということで1~3割は責任をとられるだろう。

 

これを遵守した場合、渋滞した幹線道路には側道から合流することが不可能になるんじゃなかろうか?

今のAIってどうやって判断してるんだろう…?

オッドタクシー

このアニメ、面白いよねとG監督と話をしてた。
ODDTAXI 「オッドタクシー」


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正直、話の筋というか全体の構成はよくできてるけど奇抜というほどでもない。しかし、会話の内容とテンポ、絵の見せ方…要するに演出がとびぬけてウマイ。

 

比べて悪いが、俺がスゴイ期待してた
押井守監督の「ぶらどらぶ」とか
沙村広明原作の「波よ聞いてくれ」は、
テンポが悪い。

 

日常会話において会話と会話がかぶさって聞き取りにくいこともあるのが自然だ。
アニメの場合、それを嫌って相手のセリフが終わるのをキッチリと待つ一瞬のタイミングが妙に不自然になることがよくある。

このオッドタクシーはそのタイミングをすごく考えてある。

 

オッドタクシーはまるで会話を先に録音してからアニメをつくったように感じるほどリズムが良い。

声優にお笑いのプロが多いみたいで、ちょっと高畑勲じゃりン子チエ」っぽいとも思う。

 

そーいえば「ギャグマンガ日和」とかNHK教育の「キッチン戦隊クックルン」とかのアニメは息継ぎしない。息継ぎのコンマ何秒を編集して1.5倍ぐらいの会話スピードでテンポをつくってるのも感心する。