東京23区内に月1万5千円以下で住んでみた

最近、私小説風エッセイ漫画は女性が優勢だな、と思ってたところで手に取った男性のエッセイ漫画

「東京23区内に月1万5千円以下で住んでみた」 

 

テキヤの仕事ってそうだったんだ度 ★

 

絵柄といい内容といい、読み終えるまで昭和のマンガだと思ってたら初版が2016年、平成も終わり頃だとは予想外。

 

で、内容は、著者が高校卒業後に鹿児島の実家を飛び出してから、次々と転職していく様子が描かれる。タイトル通り超ビンボーで、ついに路上生活にまで至るあたり、なかなか壮絶であるのだが、正直、まあ、ビンボーについてのノンフィクションなら他にもあるよね…という感じではある。

 

ただ、興味深いのは初めの仕事、テキヤの描写である。マンガ内でテキヤとは描いてないが、お祭りで並ぶ露店商のことである。著者はその露店商の一員として日給1万円・泊まり込みで働くことになる。

 

おそらく福岡でいきなりトラックに乗せられ、翌日、埼玉の一軒家に到着する。その家が関東の拠点となって関東中の祭りに行っては屋台を出す。住み込みの間は家賃・食費・移動費などは一切かからない。
2階建て一軒家に8人程度?が住んでおり、間取り図も描いてある。

 

その8人程度のグループで、焼き鳥・ベビーカステラ・くじ引き屋台(ジク)を営み、著者はジク担当となる。

 

くじ引きの屋台はよく見る。まあ1等は当たらないだろうな、と大人なら誰しも思うが、このマンガでもはっきり「くじに一等は最初から入ってねぇからな!」「ハッタリ(1等の商品)は目立つところに置いとけ!」と描いてある。
そのほか、当たりクジを開封済みのクジの中に忍ばせて"当たった人がいるように見せかける"技とか、1等~5等までの当選確率(1等はゼロ%)を描いてたりして興味深い。

 

その他には、新聞配達・焼肉屋の店員・ホストっぽい高額バイトを逃げ出す話・路上生活・居酒屋店員の描写があるが、俺はテキヤの話ははじめて知ったのでそこは面白かった。