COFFEE&LIME

「リベラル・アーツってどういう意味?」
向かいに座って読書をしていたカミさんが聞いてきた。

 

素直にわからなかったので俺に聞いてみた、というカミさんの瞳の奥底に(お前普段偉そうにしてやがるが、この程度即答できんのか?あ?)という闇を垣間見た、ような気がした。

 

ふむ、普段読書なんかしないクセになかなかスルドイ質問だねぇ。
リベラル・アーツの通俗的な意味は「一般教養」ってあたりだろう。さらにリベラル=自由主義、アーツ=学問・芸術って感じの直訳だと勘違いしてる人は多い。いまやリベラルは左翼用語になっちゃってるし…え?左翼が何かわからないって?

 

ともかく、語源としては"リベリ"=奴隷階級じゃない自由市民=特権階級。つまり"働かなくていい特権階級のための教養"ってのが本来の意味での「リベラル・アーツ」だよ。まあ差別的なんだよ。

その本の著者は?池上彰?…そうかぁ、彼なら左派系自称知識人ってあたりだから、勘違いした「自由主義に基づく教養」って感じの意味で使ってんじゃないの?だろ?グヘッ、グヘヘヘッ。

 

と、知ったかぶりの知識をここぞとばかりに披露してマウントをとったら、カミさんがキれた。

 

子供の参観日の時に、突然、となりの見知らぬ親御さんに「ところで、昼飯、なんですか?ウチは子供とレトルトカレーでも食おうかな~」ってお前言ってただろ!?自分の家庭内を暴露する馬鹿がどこにいる!

!?え~…だってなんか皆、手持ちぶたさだったし、場を和ませようと思ってさぁ…。俺だって、あそこでいきなり国鉄下山事件の話をするのもどーかと思ってやめたよ?そんなに空気読まないって感じじゃなかったと思うんだけどぉ~…

 

………あれ?この感じってどこかで…って、「はじまりへの旅」のブログだ。

torisoba-bekunai.hatenablog.com

 俺が、世間知らずの頭でっかち父さんになってた…!

 

 

それはそれとして、マウントレーニアの新商品に衝撃を受ける。
マウントレーニア COFFEE&LIME」

mognavi.jp

上記サイトでもクソみたいな評価だが、ブラック・コーヒーにライムを足してみた、という心底余計な味付けにより地獄のような味わいに成功している。

 

こーいう大企業の商品が自信をもってマズいといえるのは、なんか嬉しい。

 

勝手に想像するんだが、朝から晩まで、文字通り酸っぱいゲロ吐きながら試飲を繰り返してる社員たちがいるんですよ。森永乳業マウントレーニア商品開発部に。知らんけど。

そこで、新任の部長が来るんですね。

 

その部長、新しい主力商品を生み出したいわけです。そこで部下たちに「これまでにない、新しいコーヒーを生み出すんだ…!」とかって余計な意気込みを語っちゃうわけです。知らんけど。

 

社員たちも、新しいコーヒー…って悩みに悩んで、部長にプレゼンするわけです。

「部長、今はコーヒーは第3の波、サードウェーブの時代であるのはご存知ですか?」
部長もさすがにそのぐらいは知ってる。今は本格派コーヒーの時代ってことでしょ?
「その通りです。しかし、ウチの商品はチルドカップですので、喫茶店のような本格派コーヒーは無理があります。そこで、むしろセカンドウェーブの掘り返しです」
セカンド・ウェーブ?いわゆるスターバックス・コーヒーの味ってこと?
「そうです。そのセカンド・ウェーブってのは、要するにコーヒーにプラスして味を加えたってコトです」
あれだよね、カフェ・ラテとかの、コーヒーに色んなフレーバーを加えて飲みやすくしたってやつだろ?
「はい。そのフレーバーの種類は無限といっていいと思います…そこで今回、我々はコレを開発しました!!」

え?なにコレ?ライム!?見たことないけど?
「ええ、なので新規性は抜群ですし、もちろん味も新しいですが、爽やかな飲み口です。どうぞ試してみてください!」

 

ここで部長は試飲するも、どうなんだコレ?う~ん…他に試飲した奴よりマシな気がするけど、どうなん?
実は試飲を繰り返してる社員たちは酸っぱいゲロ吐いてるために酸味がわからなくなっていた。

部長は一抹の不安がよぎりつつも、社員たちの熱意、商品の新規性なんかで結局、コレを採用してしまう。

 

部長から渡され、社長も試飲するものの、え~…大丈夫?コレ…と思いつつ、部下の信頼と熱意をくみ上げる俺、失敗を恐れない俺カッコイイ的な判断で、結局、発売してしまったのがこの商品としか思えない。

 

いや、知らんけど。