サヨク入門一歩前 その5 マルクスの魅力

マルクスヒューマニスト、人権主義者です。
ウソではありません。
マルクス自身、自分はヒューマニストだと言っています。

 

この"サヨク入門一歩前"の、いっちばん最初にフランス革命の話がありましたが、左翼側に座った人々は、王様や教会が駄目だという根拠として人権という(当時は)新しい思想を主張しました。


マルクスも、王侯貴族が支配する階級社会で生まれつき差別される人々、権力べったりの腐敗したキリスト教、台頭する金持ち連中から虐げれらる貧しい人々らを解放し、王も貴族も奴隷もない平等な自由な世界にしたかったのです。


何も保障のない社会で、教育も受けれらず、自らの生活を切り売りしてやっと生きている貧困労働者たちから、人間性を取り戻すのがマルクスの描いた理想郷でした。

 

そして、そんな貧困労働者の人権を、現実の社会でどのように実現できるのか考え抜いた末に生まれたのが共産主義思想です。
共産主義思想は抑圧された人々の自由を約束する、まさしく世界を救う愛の思想なのです。

 

マルクスの説明には神様が登場しません。
マルクスより先にフォイエルバッハという人が、キリスト教の救済は実は人間なんだ、と説きました。
(※俺はフォイエルバッハの理屈がよくわかってません。すいませんね…。)
神じゃない、俺たち人間だ!というあたりが無神論者と言われる理由で、基本的には聖書の神様の役割が人間に入れ替わったワケです。

 

マルクスはその理屈で、天国へ至る階段は神様が作るんじゃない、俺たち人間が作るんだ!と宣言したわけです。
このとき、天国へ導く救世主は工場のアルバイトたちです。

 

…いや、ここ笑うトコとは違うんですけど、理屈で言えばそうなります

 

そりゃ、今の日本でアルバイトと日雇い労働者たちを集めてきて革命を起こそうってのは滅茶苦茶ですが、差別され抑圧された数万人の前で、どんなスピーチで彼らを鼓舞し、勇気づければいいのか考えてみてください。

 

俺はいわゆる被差別部落地区に行ったことがあります。山のふもとに小川が流れてまして、みじかい橋を渡ると、雰囲気がガラッと変わります。数十世帯が暮らしているであろうその地区は、すべて平屋ですべて同じ建物、区画も完全に正方形で、その地区に通じる道はそのみじかい橋だけです。私がクルマで橋を渡った瞬間から、周囲の人々、古い建物の中からの異様な目線が忘れられません。昼間だったんですが、暗くよどんだ感じはなんとも言えませんでした。

 

世界には貧民街、スラムがたくさんあります。俺は行ったことないですのでエラそうなことは言えませんが、そんな彼らが数千・万・億人単位で暮らしているような場所で、地域で、国で、資本主義バンザイと唱えて彼らが奮い立つでしょうか?流浪する貧民たちに、今から10年、いや100年ぐらいしたら学校とか行けるんじゃね?と言って彼らが納得するでしょうか?

 

彼らは幼い子供、そして老いた両親を抱え、一日中働いて、その日のご飯が食べられるか否かの瀬戸際で生活しています。
彼らは何のために生き、何のために死ぬのでしょうか?
生まれてから死ぬまで何も良いことがない世の中で、果たして生きていく意味があるのでしょうか?

 

否!

 

貧困であればあるほど正しい。

無知であればあるほど美しい。

何も持たない君たちにしか世界は救えない!

さあ、俺たちと一緒に世界を変えようじゃないか!

君たちはそのために生まれたんだ!


…という共産主義の言葉がいかに力強いかわかる気がします。

 

よくある共産主義の説明として、強制的に財産を取り上げ、平等に分けよう!という、究極の平等が語られます。それも共産主義の重要な一面で、恐ろしくも魅力的です。
しかし、共産主義の本当の恐ろしさとは、貧困であればあるほど、無知であればあるほど貴い…あまりにも暗く、あまりにも残酷であるがゆえに救われる、という思想なのです。そこに世界中の指導者やインテリらが熱狂したのではないでしょうか。

 

パンクバンド「ザ・スターリン」の遠藤ミチロウが、なぜ"共産党宣言"からの引用に「暗~い、臭~い」というセリフを加えたか、もうご理解いただけたかと思います。「吐き気がするほど、ロマンチックだぜ!」と叫んだ歌詞は、共産主義の本質なのです。


繰り返しますが、マルクスは、共産主義思想は人権思想です

 

これは「サピエンス全史」だったと思うんですが、ユヴァル・ノア・ハラリも同じことを言っています。

日本や欧米の資本主義下での人権思想は人権を個人の幸福を基準に考えますが、社会・共産主義思想においては、人権は集団の幸福が基準となります。その点では同じ"人権"という言葉でも意味が違いますが、同じなのは、抑圧された人間を解放し、本来の人間性を取り戻して自由を平等を目指すということです。

 

…え~…だってさぁ~…
だって共産主義を目指したソ連や中国で自国民大虐殺の事実があるでしょ?人権無視してんじゃね?
という話はよくありますが、んじゃ、核爆弾を落とし、ベトナム枯葉剤をまいたアメリカは人権マジ・リスペクトしてるんでしょうか?

 

右翼も左翼も結局は人権思想って点では同じです。
明治チョコスナックのきのこの山たけのこの里ぐらい同じです。今が食べ頃です。

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ウヨクとサヨクの違い(イメージ)

え?だから戦争になるんだって?まあ…それならしょうがないですね。。

 

…最近、アニメとかマンガとかラノベとかでは"なろう系"が流行してます。
現代に生きる主人公がドラクエみたいな異世界にとばされて、どんどん活躍していく、みたいな話です。その世界観は中世ヨーロッパが多いようです。


それって、まさしくマルクスの時代です。
マルクスマルクスに続く指導者たちは、困窮と圧政に苦しむ人々の解放を目指し、王を殺し、やがて数億の人々を従え、さらに従った人々を虐殺しつつも世界最強の軍事国家をつくりあげ、最終戦争へと向かっていったのです。今でもです。

 

マルクスを恐れ最終戦争を恐れる人々にとってマルクスは魔王ですし、マルクスを信奉する人々にとってはまさに神様、マルクスとそれに続く指導者たちはチートの主人公です。

 

いや、別に俺はなろう系アニメとかキライじゃないんですけど、現実に起こった革命運動の凄まじさと比べて、アニメや漫画の方がスケールが小さいってのはな~…とは思います。「まるくす!」ってアニメがあったら見ますよ、俺。「れーにん!」でもいいですけど「すたーりん!」は最凶の魔王だと思うんですよね。…え?センスが古いって?

 


このブログ"サヨク入門一歩前"シリーズ?を最後まで読んでいただいたアナタ、もしかして、ちょっと共産主義ってアリじゃね?と頭の片隅にでも思っていただけましたか?
そんなあなたに、マルクスエンゲルスが書いた「共産党宣言」の冒頭の一文をお贈りいたします。
亡霊が出る…!共産主義という亡霊が…!

 

 

…え?俺はどうなんだって?
俺は共産主義なんてまっぴらゴメンです(ニッコリ)
いや、そもそも人権ってなんかウサン臭くね?と思ってます。