中国工場の琴音ちゃん

中国工場の琴音ちゃん

 

古本屋で1,2巻100円だったので買った。なかなか面白い。
著者は「中国嫁日記」の井上純一

blog.livedoor.jp

実際に存在する中国のフィギア工場での出来事を4コマギャグにしてある。
確かに日本との文化の違い?はほぼノンフィクションでギャグになるっぽい。

 

1巻ではまだまだ中国は発展途上で賃金が安かった描写だが、2巻では徐々に日本を追い抜いていく感じがよくわかる。

俺は全くフィギアに興味は無かったが、このマンガでフィギアの現状がぼんやりわかった、気がする。

・企画から出荷まで半年~1年ぐらいはかかる。
・人気が出るキャラクターは予測しにくい。
・現在のフィギアは1万円ぐらいザラにする。
・顧客層は限られていて、ある意味収集癖のある顧客に提供する。
・その顧客へのマーケティングは「買う理由」よりも「買わない理由をつぶす」

 

また、工場経営者側の視点からは
・仕上げに職人のレベルがそのまま反映するため、1~2人のキーとなる職人が商品全体のキモになる。
・そのため、キーとなる職人をいかにつなぎとめるかが重要。
・ただし、中国では同じ会社に勤め続ける方が評価が低く、会社を渡り歩いた方が社会的評価が高くなる文化がある。

・なので、熟練職人がいないとなると、高品質のフィギアがつくれない。

・従って、中国の人件費が上がったからといって日本に工場をつくってもイチから技術を磨かねばならず、そう簡単にはいかない。

 

へ~~。

なお、連載中に反日デモが起きており、その内容も描かれている。
キッカケは思想教育による反日であるものの、そのデモの内容は社員の待遇改善とか、結局は共産党への批判となったため、その後デモは"法律で"禁止された。

 

 

後期■第3章 王充その他の後漢時代の思想家

後漢時代の学問は、儒家の経典の解釈学であった。
その儒家の解釈学に対立する思想もあったことはあった。
その代表が王充である。

 

この時代となると、もはや孔子は神様あつかいで儒家思想は今で言うオカルトと入り混じって奇妙な発展を遂げていた。
そこを変じゃね?と批判したのが王充である。

 

例えば、この時代、孔子=天が使わした神様とあがめられるようになった。その神が地上にあらわれるとき、伝説の獣…麒麟キリンビールのマークになってる幻獣・キリン)があらわれるとされていた。
王充は、天変地異とか変な生き物とかの自然現象はあるけども、それと人間が生まれるのとは関係なくね?と批判した。

 

また、孔子の弟子たちも天使扱いであったが、その弟子たちが若死にしたり、失明したりしてロクな目に合ってないことや、そもそも孔子は結局権力者にはなりえなかったことも事実なんだから、神様じゃ無くね?と批判したのである。

 

著者はこの王充をかなり高く評価している。
現代では当たり前の批判だが、当時ではかなり異端であるが合理的である。その合理性を著者は唯物論者として評価しているのだが、その…唯物論者とか、この前にも出てきた階級闘争などマルクス主義用語がちりばめられていて、そのマルクス主義に対して好意的なんだな~というあたり、本書の時代を感じるポイントではある。

 

その他の後漢時代の思想家はオマケ程度に紹介している。