AIっぽいアレ

損保ジャパンに保険の証券再発行依頼の電話をかけたら、終始AI(?)の対応だった。

「ご本人ですか?はい・いいえで答えてください」
はい………ハイ!
(3~5秒ぐらい待たされる)
「証券番号を教えてください」

以下、おそらくロボット音声じゃなくて録音したコメントを条件分岐で並べて実行させてるっぽい(それはAIじゃないけどさ…)。

回答もハイ・イイエだけじゃなくて証券番号(アルファベットと数字の混合)もちゃんと解読した。

 

う~ん、AIの時代はもう来てたんだね…俺も年取ったわけだ。

 

そういえば、AIがつくった映画が公開された。
ネットフリックスが、AIに既存のホラー映画を40万時間学習させて動画をつくったという。

realsound.jp

上記からリンクもあるが直接のyoutubeはコレ


www.youtube.com

基本は"ソウ"のパクリだが、細かいところが全部まちっがってるのが面白い。

悪役が乗ってる一輪車の車輪が3つある…?

セリフも「セクシー・サマー・キャンプにいたはずなのに!」とか、力強い。
しかも唐突にクジラが登場するのがシュール。
およそホラー映画を題材にしたシュール系コメディにみえる。

 

映画もつくれるなら音楽もつくれる。
AIでつくった音楽は検索すればいくらでもでてくる。

 

もちろん小説も書ける。
AIによってハリーポッターを解析し、その新作を3年前には書かれていた。
ハリー・ポッターと巨大な灰の山らしきものの肖像』
内容は支離滅裂で破綻しているのが魅力だそうで、山形浩生が一部を翻訳してくれている。

cruel.hatenablog.com

 

第13章 ハンサムなやつ
  城の地面は魔法で拡大された風の波でせせら笑いました。外の空は黒い天井で、血で満ちています。ハグリッドの小屋から漂う唯一の音は、かれ自身の家具による侮蔑に満ちた軋り音だけでした。魔法:それはハリー・ポッターがとてもよいと思った何かだったのです。

 ハリーの幽霊が城に向かう地面を歩くと、皮のような驟雨が打ちつけます。ロンがそこに立って、何か狂乱するようなタップダンスをしていました。かれはハリーを見ると、即座にハーマイオニーの家族を食べ始めました。

 ロンのロンシャツはロン自身に負けないほどひどいものでした。

「あなたたちふたりが楽しくちゃかぽこできないなら、あたしは攻撃的になりますからね」と理性的なハーマイオニーは告白しました。

 

一昔前、機械にできなくて人間にできるのは創造性だ!とか言ってたが、それは違う。
竹熊健太郎は創造性・新しいアイディアとは何か?について「単に新しい組み合わせだ」と喝破している。

そもそも完全に新しいものは誰も理解できない。

 

音楽も小説も映画も現段階ではシュールなコメディだが、すぐに追いつくだろう。
そもそもコメディの部分では驚異的ですらある。
AI大喜利

ainow.ai

我々は新しいAIの仕組みを除いて、アイディアを創造する必要は無くなってきているのかも知れない。

 

 

仮に…なんだろうか…靴下屋さんだとしよう。
靴下の素材、製造方法、デザイン、価格、流通をAIが解析する。
人間は最後に確認するだけ。
今までは上司に"明日までにデザイン100個考えろ!"とか無茶ぶりをされてヒーヒー考えてたのが、AIによって5分でアイディア1万個ぐらい出てくる。さらに、そのうちマシな100個をAIが選別してくれるのだ。

 

靴下を買う側もAIである。
これまでの自分の服を全部写真に撮っておくと、自動的に合う靴下を選んでくれる。
しかも生活レベルに合った値段で。
※これはすでに実現している。facebookなんかのAIでは、これまでユーザーがクリックしたデータから好みを提示してくる。

 

しかも靴下屋と流通・販売会社・消費者なんかが使うAIが実は全部おなじAI会社、という未来も見えている。すべては同じAIのなかで人間が踊らされてるだけ、という事態なのだが誰も損していない(ように見える)。

 

いやいや、いつも3足千円以下で黒い靴下しかはかないから!という俺と同じ奴であっても、自分の友人がFacebookで近親者が死んだ内容をアップした瞬間、自分のスマホ画面に冠婚葬祭用で3足千円の黒い靴下の広告が入る可能性があるのだ。

 


囲碁や将棋、チェスの世界では、すでに人間はAIに勝てない。
興味深いのは、だからといって囲碁や将棋が廃れたわけではないあたり。人間同士の対決を人間が見るのが本当の面白さだ、というわけである。

今、NHK教育の将棋番組を見ると、画面の上に優劣が棒グラフになってでてくる。これはAIが優劣を判断して点数をつけていて、これまで視聴者は勝ってるのか負けてるのかはよくわからなかったが、一発でわかるようになったし、ある1手で大逆転してしまう瞬間も視聴者がわかるようになった。

 

俺が面白いと思うのは、すでにAIが何を考えてるのか人間がわからない次元になったということ。
1997年、IBMのコンピュータがチェスで人間を凌駕したが、そのときの手順…なぜこの手を打ったのか?という計算は後から人間が検証可能だった。
しかし2015年、囲碁のAIアルファ碁が何をどのように考えたのか人間が検証不可能だというのが面白い。

 

将来、映画館で映画を見たとき、観客の男女比率や年齢比率で絵や物語が変化するかもしれない。観客の何%かがつまらなそうにしてたら突然アクションっぽい画面になるとか。

すでにクルマの居眠り運転防止で、AIが運転者が眠そうにしてるのを判断して警告する仕組みがあるらしいのだが、映画館の客全員を判断させようと思えばできるだろう。