倫理とは何か

善悪とは何か。それって善なん?
という問いに、それが善だ!と確信をもって答えられるのは普通は宗教だろう。やっかいなのは、それが善か否かの判断ができるのはその宗教にどっぷりつからないと判断できないところだ。

 

んじゃ、道徳って何か客観的な、誰であっても善だと認めるようなモノってあるのか?という問いに対して、倫理学においても議論があるらしい。

永井均「倫理とは何か 猫のアインジヒトの挑戦」

この本の第6章によれば、倫理学は2つの軸があるという。
 ・実在論vs反実在論
 ・内在主義vs外在主義

ヤヤコシイのでヒジョーにざっくりとした俺の理解でいえば、
 実在論=客観的・究極的な善があるんだよ
 反実在論=客観的な善は無いので話し合って決めよう
 内在主義=善は必ず実行されるべき
 外在主義=善があったとしても従うかどーかは俺次第

例えば、見知らぬ子供でも道路に飛び出したときに無意識的に助けてあげようとするのは(実在論+内在主義)といえるんじゃないだろうか。
一方で、謎の宗教の神を信じて、その教えに忠実に行動しよとする狂信者も同じく(実在論+内在主義)とも考えられる。

 

イヤ~でも、仮に見知らぬ子供を助けたところで、結局は単に自分がやりたかったという欲望に従っただけで善だとはいえないんじゃないの?あるいは無意識でも善人になりたい、善人に見られたいという欲望で子供を助けたのであって、そーいう下心があれば善っていえるの?という疑問も成り立つ。

 

で、それは?と考え出すと、なかなかキリのない思考になる。

 

カント的に言えば、見知らぬ子供を助けようとするその心意気が善であって、もし他人に評価されるために助けたなら善にはならない。
一方でミル的に言えば、結局のところ子供は助かったんだからそれって善だよね。と言える。