3D顛末記 その9

先日のデータをもとに、別のプリントサービス会社に連絡してみた。
すると、せっこう(石膏)で印刷するとのこと。

 

石膏って…石膏像ぐらいしか印象にないが、どんなんだろ?
見積もりが送られてきた。

 

はじめの1個つくるデータ作成料金に3万円。
あとは7センチ角ぐらいで1個出力するごとに6千円
3~4センチ角ぐらいなら1個4千円程度
つまり7センチ角を1個欲しければ、合計3万6千円。

ふむ。まあ出力してみないとわからんので試しにお願いしてみた。

 

すると、
「科学技術センターで印刷したことある?格安でやってくれるよ?」
と教えてくれた。

 

というわけで、科学技術センターに問い合わせてみた。
なるほど、そんなサービスがあるらしい!

 

自分がつくった3Dデータをメールで送ると返事が返ってきた。
「このデータには厚みがない。ソリッド化してください」

 

…ソリッド化ってなんだ?

 

調べて分かったのは、ポリゴンとテクスチャには、厚みがない。
家を3Dデータ化したとき、壁の位置と色はわかっても壁の厚みがゼロなのだ。
いわば厚みがゼロの折り紙でつくったモデルなので、印刷ができないというわけ。

 

これはモニターで3Dモデルを見てるだけではわからなかった。

 

ここではじめて「厚み」の必要性を理解した。
ん?ということは「ダヴィンチカラーmini」は厚みデータなしで印刷したわけだ。
それでも一応、カタチとしては印刷できてた。
なんかの補正があったんだろうな。。

 

というわけで、データに厚みをつける「ソリッド化」をブレンダーでやってみた。
厚みの指定をすると、すべて均等に厚くなるため、電柱みたいなやつとか、屋根の先とか、厚みが必要でないものも厚みが出る。一方で範囲指定はかなり難しい。

全体的には厚くすればするほど形が変形する。
なので、型崩れが許容範囲かな~ぐらいまでの厚みをつけてみた。

 

で、科学技術センターに送ると、
「う~ん…なんか壁に穴あいてるところあるんですけど、印刷はできます」
との返事。とりあえずやってもらった。

材料は樹脂。
余った材料だと安くできますけど?と言われて、ハイと返事する。
「グレーになります」と言われてハッと気が付いた。
フルカラー印刷じゃない…!

 

う~ん、ここまで依頼してキャンセルはねーなと思いつつ、料金をたずねると、5センチ角なら2千円だという。
安いな。。

 

印刷に一晩かかる、というので待つ。

ちなみにgoogle earthでその場所の立体映像を見てみる。

ふむふむ。

さすがgoole…このデータでそのまま印刷できないか?と画策するも、このデータは画像でしか見ることができないので、結果、ものすごく粗い3Dモデルしかできないっぽい。

さすがgoogle様だぜ。。

 

さて、科学技術センターで、できたのがコレ

ん?なにコレ?


科学技術センターにある3Dプリンタは、モデルを上下逆さまに印刷するという。
例えるならツララのように、一番上の先っぽから下に向けて徐々に出来上がる。
そのため、なんか支柱みたいな余計な棒?みたいなものが印刷される。

 

う…う~ん。

 

一方、石膏のプリント業者からもメールが届いた。
「君が作ったデータは使い物にならないから、編集して印刷したよ~」
とのことで、早速、取りに行った。

う…う~ん。

石膏の特性上、色が淡い。薄~くしか色がのらないっぽい。
それに、なんか角が丸い。ロウソクのロウでつくったように角が丸い。
感触からして陶器か何か焼き物っぽい。
メリットとしては多少、耐久性があるような気がするけど…。

 

ちなみに、その業者さんに前に樹脂でつくったモデルを見せると、
石膏だとここまで細かく再現できないかも…と言われる。