面白かったよ度 ☆
ドリヤス工場?電話で聞いた瞬間は思い出せなかったが、なんかどっかで聞いた気もするなぁ…とボンヤリ考えつつも某Hが"検索すんじゃねー!"というので本を待ってた。
で、包みを開けた瞬間、あ、この人だ。
このマンガがね…とてもつまんなかったんだよね。。一発で水木しげるとわかるが、水木しげる好きなら即座にパクりオマージュだとわかる。「あやかし古書庫と少女の魅宝」は、水木しげるタッチで描いたオリジナルストーリーなんだけども、そのオリジナルストーリーが痙攣するほどつまらん。
同じように丸パクリの絵で売る田中圭一とは違って残念だな~と思ってた。
で、本屋でこの著者の「文学作品を漫画で読む」みたいなシリーズをよく見かけたのだが、てっきり編集者が企画もってきて、絵だけこの著者が描いてると思って読む気はなかった。
それは俺が間違ってた。
「文豪春秋」は、文豪たちの紹介文だけは編集側だが、マンガの中身はすべて著者が考えてるようなのだ。先の「文学作品~」と「文豪春秋」だけでも近代を代表する純文学系を総ナメしてたのは感心する。
このマンガ…すごい文字が多いんだけども、読み方としては、先に紹介する文豪たちをある程度知っているのが前提で、"ああ、この作家にはこんなトリビアがあったのか"という感じで楽しむマンガなんだろうな、という感じ。
俺としては、菊池寛と直木三十五については著作も文章をまず見かけないのになぜここまで名前が残ってるのか不思議に思ってたが、そーいう人だったというのを知った。
この著者については、モーム「月と六ペンス」に登場した批評家を思い出す。絵の審美眼は確かだが自分の描いた絵はクソ、という人である。
この著者・ドリヤス工場もすごい読書家で、内容をまとめたり面白いエピソードなんかの紹介は素晴らしいが、自分で物語をつくるとクソなのである。。