青天の霹靂

■ネットフリックス「アグレッシブ烈子 シーズン4」見る。


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これはシーズン3まで見た俺の義務。
俺は好きなんですけどね。。


話が進んできて、安定感が出てきたというか、各キャラクターの群像劇っぽくなってきた。

 

そもそも見た目は幼児アニメのような絵なんだが、物語は会社のリストラとか経理とかで、視聴者層は20~30代あたりかと思われる。
回を重ねるごとに演出がこなれてきてるというか、上手くなってる気がする。基本はフラッシュアニメだと思うんだけども、アニメ表現として動かすところと動かさないところのメリハリに感心する。

 

■先日、劇団ひとり浅草キッド」が良かったとG監督に話したら「青天の霹靂」を見ろというので見た。


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うむむ…俺は劇団ひとりを甘く見ていた。


浅草キッド」「青天の霹靂」も、テーマも物語の展開もわかりやすい。映画がはじまって15分ぐらいでおおよその展開は予想できるのだが、その物語にブレが無く、途中でダレない。


漫画家、藤田和日郎の著書「読者は読むな」にて"読者の予想通りの結末でいい。ただし予想を上回る感動が良い作品"という通りの映画が、この2作品であった。

 

浅草キッド」は芸人と師弟愛の物語、「青天の霹靂」は芸人と親子愛の物語で、ありがちでベタな内容なのだが、まっすぐ寄り道せずに物語を描き切るし、劇団ひとりが芸人という生き方に特別な感情を描いてるのが視聴者にはよくわかる。

 

ただ、演出がわかりやすすぎる、というのが良し悪しなのかもしれない。
北野武キッズ・リターン」は、芸人と青春という内容だが、劇団ひとりと比べると、北野武の映画はほとんど説明しない。

 

一般的にシネフィル、映画好きは難解な映画が好みである。同じパズルを解くなら多少頭を使った方がなんか満足感が得られるような気になる。一方で、日本のテレビドラマなんかは異様にわかりやすくつくってある。
これは好みの問題のような気もするが、日本のテレビドラマって視聴者を馬鹿にしてるような気もするんだよね。。

 

■んでもって、G監督にネットフリックス「パワー・オブ・ザ・ドッグ」を色々教えてもらう。


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ここからはネタバレなのだが、
中盤、突如として主人公フィルが青年に対して親切になるのだが、このキッカケは語られない。

 

途中、フィルがLGBTであることがわかるようにはつくられているのだが、単純にホモ心だけで、その青年への態度が豹変するには奇妙だし、その後の対応も性的興味だけとはちょっと違う感じなんだよね。。とG監督に聞いてみたら、
「この映画は、父性と母性の物語なんだよ!」と喝破してきた。

 

「主人公のフィルは、超マッチョなんだけど実は母性が強いことを隠そうとしたための裏返し。一方で、ナヨナヨのホモ臭い青年は実はガッチリとした父性を持っていた。
なので、その青年の母親が母親としての役割を果たせないと判断した時点で母性を持つフィルが突然介入してきたが、同時に青年は父性で自分の母親を守ろうとするんだよ!」

 

ぐぬぬ…なるほど!