■「統合失調症の一族 遺伝か環境か」
某Hおすすめの一品。
身近な人間が精神病を患ったら、周囲の精神的・肉体的負担ははかり知れない。
本書は12人きょうだいのうち6人が統合失調症になっていく様子が詳細に語られるために強烈である。
その壮絶な一家の歴史…両親の出会いから12人の子、さらに孫に至るまでの生活様式や病歴をうかがい知ることができる。
なんというか…ひとつひとつのエピソードがキツい。
読者としては発病しなかった家族にどうしても同情を寄せるだろう。
12人きょうだいの11人目と12人目の末っ子は発症せず、中盤からほぼこの2人と母親の物語となる。
その3人のそれぞれの生き方には考えさせられる。
torisoba-bekunai.hatenablog.com
なだいなだ氏が指摘するまでもなく「狐憑き」とは双極性障害か統合失調症だろう。
俺ぁ、てっきり本作で統合失調症の原因がついに判明したのかと思ったら違ったのでちょっと肩透かしでしたカナ。。
ただし以下の点は興味深かった。
・遺伝は明確にあるといえるが100%ではない。
・生活環境もあるかも知れないがかなり低い?
・妊娠中に栄養(コリン)不足が原因の可能性を現在模索中。
・自閉症/双極性障害/統合失調症の要因は同じかもしれない。
そういえば橘玲「言ってはいけない」で、犯罪は遺伝すると指摘していたが、つまりは暴力的傾向は遺伝するという指摘をしてたことを思い出した。
あれ?某Hが電話で語ってたNYの蟻の栄養素の話とかは無かったけど、それは別の本の話やな…?
以下は某Hに送ったヤツ
■大山海「奈良へ」
いや~~、俺、これ好きなんですよ。。
こーいう、ひとつひとつは理解できそうなんだけど全体として意味が分からない話、好きなんですよね。。
"奈良が崩壊する!"って言われて、崩壊した奈良って何?というのがたまんないんですハイ、すみません。
こーいう「ガロ系」漫画、最近は減ったけど昔はよくあった気がする。
某Hが今度G監督に会う機会がありましたら、「ダンダダン」の回答として、俺が「奈良へ」と下記の「漫画~プロレゴメナ」の2冊をご準備したと手渡していただきたい。
■窓ハルカ「漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ」
上記の「奈良へ」は物語の構造的に頭がオカシイ漫画だったが、本作は逆にひとつひとつは頭がオカシイが全体としてわかりやすい構造。
単純に恋愛マンガなんだけど、とりあえず全部どうかしてる。
■山本おさむ「父を焼く」
この作者はとにかく読者を泣かせる職人芸を持つ。多分一番売れた「そばもん」はちょっと例外的作品で、本作を含めてホント悲しい物語を描かせたら一流。
■久世番子「ひらばのひと」
神田伯山が好きなら読んで損は無い一冊。俺は講談師という職業をほぼ知らなかったのでちょっと面白かった。