患者さんゴメンナサイ

医療モノ漫画はたくさんあるが、医者自身が描いたエッセイ漫画は少ない。

 

「患者さんゴメンナサイ 医者ってどーなってるの日記」茨木保 

 

「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」と合わせて読むと面白い度 ★

 

著者は医療マンガ「Dr.コト―」や「ブラックジャックによろしく」の医療マンガのブレーンだった人らしく、漫画自体も面白い。というか、面白い漫画とは何かを考えて描いている。

 

先日、「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」を読み終えたばっかりだったので、ハンター側のキチガイっぷりと本作の妙な一致点と異常な落差の両方が面白かったのでジョン・ハンターの本を送るときに一緒に送ることにする。

 

本書での、医者のぶっちゃけ感はなかなかスゴイ。

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ああ、あの人はボクが殺したんだ…というケースは必ず思い当たるはず。

あえて誤解されるのを承知で言いますが、ボクも秘密を共有できる人間でないと一緒に仕事はできません。
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医学部教授・医局制度への身も蓋もない批判や、患者からのクレームに対してどーやって保身しているかも描いてるし、一方でうつ病になったとも描いてある。まあ~そうだろうなぁ~という反面、よくこの著者はここまで”普通の感性”で医者を続けてられるなとも感心する。

 

あと"手術台といえばこうもり傘とミシン"などというポロっとした描写に思わずオッとなる。