…え?これを今更?という指摘は正しい。
学生の時、散々色んな人に本書を勧められたんだが、それがかえって読む気を無くした一冊であった。
で、今更ながら読んでみると、確かにこいつは面白い。
冒頭のインド編、次に香港編、最後にマカオ編という構成。
インド編は確かに吸い込まれる。ねこじる「ぢるぢる旅行記 インド編」と同じく脳みそがダメ人間に浸食される感じが素晴らしい。
ただ、インド編は前置きっぽい感じで、なぜインドにいるのか?と、旅のはじめは香港だった…と香港編にすぐに移る。
香港編も素晴らしい。
香港のドヤ街の情景描写にはそそられるものがあるが、もはやそんな情景が残っているのかはわからない。
そもそもが金持ち日本とビンボー香港との対比で語られるのだが、今や逆転しているといってもいい。
で、マカオ編は、ほぼギャンブルの話である。
ここで読んでて、ん?と気が付いた。これはかなり話を盛ってるんじゃね…?
香港編の時も多少はノイズになったのだが、描写が細かすぎる。
たまたま一緒に遊んだ子供の落書きの漢字…それも日本語に無い漢字まで覚えられるもんだろうか。
まあ、そういう天才がいるとは思うが、ちょっと胡散臭い。
メモといってもきりがないだろうし、まあ小説風にアレンジしたノンフィクションだと思えばいいのだろう。
ただ、マカオ編のギャンブルの描写は、正直、作り話臭すぎる。
阿佐田哲也や福本伸行なんかのギャンブル描写に慣れた俺としては、違和感しかない。
ちょっと興が削がれた感じがするので、2冊目は今のところ読む気はしないかな。。
本書をブックオフ110円で買っておいて言うのもなんだが。