映画「ゴジラ -1.0」見る。
このタイトル、マイナスワンって読ませるの無理じゃね…?と思ってるの俺だけ?
正直、俺ぁこの監督、山崎貴監督はあわないんですよね。。
なので期待値かなり低めで見ましてですね、ゴジラのシーンは確かに凄いんですけど、人間ドラマのパートはなんちゅうか期待通りでしたねハイ。
アカデミー賞を獲ったという特殊効果は凄いですねぇ。
CGなんかの特殊効果はどーしてもハリウッドには見劣りする邦画だけど、本作は遜色ない。
ハリウッドと対抗してどーすんだという気もするが、対抗できるならそれはそれで凄い。
中盤にゴジラが軍艦ひっくり返すシーンを下から見上げる角度でカメラがぐるっと回ってるあたりは良かったですねぇ。
一方で、人間ドラマは薄っぺらい。
ゴジラ映画に人間ドラマなんていらなくね?というご意見はごもっともなんですけど、今回のゴジラは妙に人間ドラマに焦点を当ててる。
逆にいえば、人間ドラマの背景としてゴジラが描かれてるようにも見える。
本作が実にハリウッド的なのは、本作が主人公の成長物語であること。
その成長を描くために、主人公ははじめゴジラに負け、中盤にゴジラに勝機を見出し、最後に勝つ。
勝利することで、ダメ人間だった主人公が自信を取り戻すワケですわ。
こういう展開はハリウッドの典型的なパターン。
結構ストレートでわかりやすい物語構成なんだけど、ゴジラの見た目のインパクトで物語主体とは思えないつくりにはなってる。
んじゃ、なんで薄っぺらいの?といえば、全部セリフで説明しちゃってるとか、細かい点はいくつかあるが、最大の要因は、この時代背景…終戦直後なのに政治的部分を無視しすぎてるあたり。
終戦直後にゴジラがやってきて、東京に3度目の核爆発をさせるという物語なんで、右翼も左翼もかな~~りセンシティブな話である。
俺としては、コレを本気でやれば良くも悪くも社会問題レベルの大作映画になるよな、と思いつつも、
そこは予想通りというか、めんどい描写…膨大な犠牲者の絵とかGHQの対応とかは全く描かない。
んでもって、主人公たちの対応もかなり政治・思想的に偏ってる感はある。
エクスキューズとしては"これはあくまでも主人公の個人的なアレなんで、そんな政治色があるわけないんですよ"的な言い訳があるかもしれないけど、ある程度の年齢以上の日本人には違和感ありまくりではなかろうか。
逆に何も事情を知らない外人とか若者なら違和感が無く楽しめるのかもしれない。
これは俺の勝手な予測だけど、山崎貴監督は政治思想に興味が無いんだと思う。
結果的にこれがどう思われるのか、は意識してないとしか思えない。
日本軍の軍艦や戦闘機でゴジラやっつけるんや!という撮りたい絵作りを先に考えて、そのための話の無理くり加減にはあんまり興味が無いって感じかな~。。
そりゃまあ、ここまでの話を2時間でまとめた、ちゃんと話をわかりやすく終わらせたのはエライ。
ただ、あのラストの攻撃方法含めて…ここまで政治思想に無頓着なこの監督、やっぱ俺はあわないよなと思わざるを得ない。
俺としてはゴジラ-1.0よりも「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」の方があってる。
ここまで妙にリアリティのある狂気を描いたマンガも少ない。