某Hから電話
「3万払って、森達也の映画に名前出そうぜ!」
え…、この企画、
”森達也第一回劇映画監督作品”
って、嫌な予感しかしないんだけど…。
あの傑作ドキュメンタリー映画「ゆきゆきて神軍」の監督、原一男の劇映画を見たことがあるだろうか?「またの日の知華」のヒドさは俺とG監督とがひっくり返るレベルだった。
フィクションとノンフィクションはなんか別物な気がするんだけど…。
そもそも俺は森達也と思想信条が真逆といっていいし、最近の森達也の作品ってイマイチなんだよなぁ。。
と俺がシブってたら
「Aシリーズ、面白かったろ?」
そりゃ確かに面白かった。アレは凄い。
Aシリーズの続編だというならすぐに出すけど…。
「佐村河内の"FAKE"面白かったろ?」
あー、それは面白かったよねぇ。。
もし佐村河内のネタでクラウドファンディング募ってたら俺ぁ絶対出さなかっただろうけども、まさかあんな面白れぇ映画になるとは思いもよらなかったしなぁ。。やってみないとわからないのが映画だしなぁ。
というわけで、払ったよ3万。
実名で登録しといた。
しかしさぁ…森達也の別のクラウドファンディング、2019年5月末に目標金額までカネを集めてからその後の話を聞かないんだけど…まあ主催者は森達也じゃないとは思うけどさぁ。。
■「THE MOLE(ザ・モール)」見る。
だけど…これ、ホント!?スゴイ内容なんだけど!?
デンマークの無職のオッサン…ウルリクが、地元にある北朝鮮支援組織に入会したあたりから話がはじまる。元料理人だったオッサンは、個人的な趣味?で北朝鮮の内部事情を10年間にわたって隠し撮りしてきたという驚異的な内容である。
ヨーロッパの共産主義者、それも北朝鮮を楽園とあがめる人たちが存在する。
そんな彼らが集まる組織に主人公?のウルリクも入会する。
その組織では、マスコミで北朝鮮を擁護する活動を活発に行うと評価されるという。徐々に組織の上に立ちはじめ、やがてヨーロッパ支部長?あたりまで出世していく。
そして、北朝鮮と太いパイプを持つというスペイン人と仲良くなっていく。
そのスペイン人をキーとして、北朝鮮との取引が持ち掛けられる。
「北朝鮮では何でも手に入る。投資家を探してほしい。」
そこで、ウルリクともう一人のスパイ、ジェームスが登場する。金持ちの投資家という役割である。
ウルリクとジェームス2人を中心に、トントン拍子に北朝鮮との投資話が進み始めるのだが、その内容が凄まじい。
まず見せられるのが武器の価格一覧表で、これがバッチリと画面に映し出されるのである。
射程距離1350キロのスカッドミサイル(SCUD-E Missile) 5発セットで24,700,000ドル
射程距離500キロのスカッドミサイル(SCUD-C Missile) 5発セットで13,97X,XXXドル
(※XXX部分は髪の毛で画面に映ってない。)
などなど、英語で様々な武器の一覧がでてくる。
そうか~千キロ以上飛ぶスカッドミサイルって30億円ぐらいなんだ…。
んでもって「武器を売るだけじゃなくて、生産もできるし、クスリもつくれるよ~」と持ち掛けられ、んじゃ、武器生産工場と覚せい剤工場をヨロシク!と、発注するのである。。
そこでの歓迎会がまた安っぽい…のが妙にリアル。
安くさいカラオケ会場みたいなところで代わる代わる踊りを見せられるのだが、これがまた何ともうすら寂しいというか…異様なんだけど妙に現実味がある。
そして、そこに立ち会う男たちのまた微妙な感じが何とも言えない。
その後、北朝鮮側から「武器と覚せい剤工場は、アフリカのとある小国でつくることにしたよ!」と指定され、その国に行くと、その国のお偉いさんたちと土地の買収計画云々の話が始まる…のだが、ほぼ北朝鮮側から話が進めらていて、手慣れた様子であることがわかる。
んでもって「いやぁ~国連の制裁がキツイくて、武器の輸出入とかカネのやりとりを直接やり取りするのは危険なんで、間に第3者をかましてですね、ウルリクさんたちはこの第3者にカネを払ってください。そーするとその第3者が北朝鮮に原油を輸出するので…」という三角取引の話がでてきて、ウルリクたちはその第3者と面談に行くのだが…
全編にわたって、堂々と画面に北朝鮮のスタッフが映っている。
ここまでハッキリと北朝鮮の国家犯罪の様子が描かれた話を俺は聞いたことが無い。
これほど衝撃的な内容なのに、日本でニュースになってないのが逆に気になる。
北朝鮮の内部リークでメシを食ってる連中はたくさんいるが、これほどまでの内容に自分らを恥じているのか?あるいは、北朝鮮を擁護しないとリーク情報をもらえないから?あるいは、ホントは北朝鮮シンパなのか?としか思えないレベル。