■M・ナイト・シャマラン監督「オールド」見る。
シャマラン監督といえば「シックス・センス」が一番有名で、他にも作品は多数ある。
最近の評判は悪いが、やっぱこの人のセンスは凄い。ネットフリックスで「オールド」を見たけど、見る前の作品紹介に思いっきりネタバレの説明書きを読んでしまう。
"その場所には人を急速に老いさせる不可思議な力があり、一日で一生分年を取るという戦慄の事実を知った彼らは恐怖に包まれる。"
あ…うん、と思いながら見たら、そのネタを知ってても画面を見てしまう見せ方というか演出のうまさに感心する。
画面の緊張感はピカイチだと思う。
アップの多さと、アッと思う瞬間は引きの画面。観客にあれ?何だ?と思わせて、そこで一番見たい絵をすぐ見せない。少しもったいぶった感じではあるが、その引き延ばしで妙に期待が高まるし、結果の絵を見せないことで勝手に想像させるのもいい。まあ年齢制限を回避するというものあるだろうけど。
んでもって、結局、オチはこれかよ!というシャマラン映画特有の、このオチで納得できるか否かギリギリのラインを攻めてくる。
まあ「シック・センス」があまりにも出来すぎてたので、これ以降の映画にみんな「シックス・センス」並みのオチを期待しちゃうのは仕方ないのかも。
■沖田修一「さかなのこ」見る。
沖田修一の映画は「南極料理人」「横道世之介」を見たが、独特の作風…なんといっていいか…これといって波風が無いというか、クライマックスが無いというか、淡々と日常が繰り返される感の映画で、俺みたいに凄い好きになる人もいれば、何が面白いのかわからないという人もいるのもわかる。
この「さかなのこ」も、さかなクンの幼少期から現在に至るまでの日常を淡々と描いているようにも見える。見えるが、普通に考えて奇妙な話がずっと続くし、その展開に何も説明は無い。
この監督の特徴に、何も説明しない、というのがある。
本作でも、さかなクンが不良を一瞬で締め上げたり、唐突に子連れの女性が同居してきたり、途中からなぜか父親と兄弟が別居してたりするのだが、何も説明は無い。
まあよく見ると、幼少期に柔道着?を着てるので格闘技が身についてるのかも知れない…ぐらいの理解はできるが、まあ、人生ってこんな感じで物事ってなにも理屈なしに唐突に変化することってあるでしょ?という風に描かれる。
そもそも、本作の主役というか本人のさかなクンが登場するのだが、不審者として警察に連行されちゃうんだけどね。。
この作品を絶賛する人の気持ちもわかるが、俺は過去作品みたいには乗れなかったかな。。
さかなクンのちょっと変わった部分を極端に誇張してるがゆえに、知的障害者レベルになっちゃってる気がして、そんな人を家族も不良も街の人もあたたかく見守るような映画に見えちゃって、なんか違和感が最後まで続いた感じかな。