基本的にベストセラーに興味はない。
ふと古本屋で100円で目に付いたので読んでみた。
乙武洋匡「五体不満足」
読んでる最中、俺のカミさんが"まだ読んだことなかったの?馬鹿なの?死ぬの?"などとスゴイ上から目線で聞いてきやがる。いやいや貴様は2千年前からベストセラーの聖書も論語も読んでねーじゃねーかと思いつつも、まあ読んでないものはしょーがない。
それはともかく、乙武の恐ろしさを垣間見た一冊であった。
俺はたまにラジオで乙武洋匡のコメントを聞く程度で、コイツ頭いいな…と思ってた程度だったが、著者がまだ22歳?だったこと考えると実に末恐ろしい知性だと舌を巻く。
"健常者が抱く理想的な障害者像"を体現した本である。
自分が他人にどう見られているかを客観的に把握し、そのうえで自分はどう見られたいか、そのためにどういう言動をすべきか、が凝縮されている本であった。
その後の著者の浮気云々について俺は興味がない。
全然関係ないけど、乙武洋匡といえば荻上チキを思い出すのはなんでだろう…
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「狼の子ソラは戦場にいる」
ネットで1話目読んで面白かったので買ってみた。
うん、1話目は、面白いね…。
とりあえず将来に期待。
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で、前に読んでた上念司「経済で読み解く日本史 明治編」の続き、大正+昭和編、平成編を読んでみた。
うーん、正直、江戸から明治~日露戦争までの明治編と比べると、そこまで劇的な変化は乏しいといった感じかな。。もちろん2次大戦の話は昭和編にはあるので、戦後の金融政策の推移は興味深いところではある。
さらに平成編についは期間が短くなってるのもあってか、内容がかなり財政・金融、主に金融のテクニカルな話が多いし、著者の政治的立ち位置からの主張がドンドン濃くなってくるあたりで客観性が気になるところにはなってくる。
とりあえず昭和編で興味深いあたりは、
■ポール・ポースト「戦争の経済学」より戦争の鉄則戦争すると儲かる条件は4つ
1)戦争前の経済状況
戦争前には不況でなければならない
2)戦争の場所
なるべく本国から遠いところが良く、自国が依存している資源の供給国+輸送路にも影響がないこと。
3)戦争資源・兵士の動員の量
失業率が高いこと。つまり無職が兵隊となることができる。
4)戦争の期間と費用および資金調達法
デフレが良い。インフレに加速してしまうから。
よく、米国などは軍産複合体だからずっと戦争してるんだ、という説がある。
第2次世界大戦における米国のGDP当たりの戦費は132%、経済成長率は69%であったので戦争で経済が潤ったといえる。一方、イラク戦争のGDP当たりの戦費は1%未満、経済成長率は2%だった。
第二次世界大戦~ベトナム戦争~湾岸戦争~イラク戦争と時代を経るにつれて経済効果は下がっている。これは失業対策としての労働集約型からハイテク兵器による資本集約型になっているからと考えられる。
あと、バブル経済時はすべて悪だったのか?という話で、
実は株価と不動産以外の実質経済成長率は健全なレベルだった、というグラフが興味深い。
このとき、いずれ不動産に規制がかかって不動産神話が崩壊するんじゃないか?と予想したのがオリックスの宮内だったという。