アテナ

めずらしく?G監督と意気投合する。
ネットフリックスの「アテナ」、ホントにスゴイ。ここまで圧倒的な映像は今年一番。


www.youtube.com

冒頭のカットから最後まで驚異的なカメラワークが続く。
説明的なセリフは一切なし。
ほぼ全編アクションだけで話を全て語る。

 

それだけ言えば「マッドマックス・怒りのデスロード」と同じ構造なんだけど、物語は超社会派。タイトルの「アテナ」はギリシャ神話とか一切関係なくて、団地の名前である。そのアテナ団地の住民が暴徒化して警察と対峙する、という内容である。社会派ノンフィクション風というか「ユナイテッド93」を思い出す感じ。

 

あと、G監督が見ろよぉと言うので見た。
ネットフリックス「裁判とメディア」

https://www.netflix.com/jp/title/80198329


計6回シリーズで2回目まで見た。
内容はタイトルどおり、新聞やテレビで大騒ぎした事件がその後の裁判にどう影響したかを論じている。

初回はなかなか興味深い構造だった。
素人さんをゲストに迎えて秘密を暴露するトーク番組で、近所付き合いのある男性2人がゲストだった。その一人が実はゲイで、お前を好きだと告白する。
番組内では、告白を受けた男性は戸惑いながらも終始笑顔で対応した感じであったが、その数日後、告白を受けた側の男性がゲイだと告白した側の男性を銃で撃ち殺した。

 

殺人犯となった男性は逮捕され、またそのトーク番組が無ければ平穏だったのに、と、番組自体を裁判で責任を争うこととなった。
そもそもそのトーク番組はかなり下品で低俗、司会者が出演者の感情を煽り立てるものであった。

 

そんな番組の司会者らが法廷に立ち、証言を行うのだが、その裁判もテレビで生中継された。しかもその裁判番組と被告のトーク番組は同じ系列のメディア会社だったのである。

 

お互いをエスカレートさせればさせるほど視聴率が上がる、という構造は道徳的にどーなん?と問う内容であった。なかなか興味深い。

 

2回目は80年代当時、異様に犯罪率の高かったニューヨーク地下鉄車内で、一人の白人男性が黒人4人にカラまれたその瞬間、白人が4人を拳銃で撃ったという事件。
犯罪のるつぼと化していたニューヨークの市民らにとって、その白人はひとりで犯罪に立ち向かうヒーローのようではないか!と喧伝される中、ついにその白人男性が現れるのだが…という話。

 

某Hからは何故か、BSマンガ夜話アストロ球団の回を見ろ、と言われる。


www.youtube.com

うむ、俺も伊集院に同情する。

確かにあのケレン味しかないマンガはギャグと思われても仕方ない。ただ、その圧倒的な熱量こそがこのマンガの醍醐味である。その熱量を感じない連中が冷静に語ったところで何の面白みも無い。
荒唐無稽をその通り絵にかいたマンガである。もはや狂気と言って過言ではないこのマンガを、こりゃ馬鹿だ、ギャグだと切り捨てて知性派ぶる奴にこのマンガを語られたくねぇ!

 

最近、読んだ漫画で妙に面白かったのが
「魔王様は結婚したい」
いや、正直、マンガとしてはその…なんだけど、内容はタイトルから想像もつかないコンビニ経営マンガなのである。
この作者はコンビニ経営をしていた経験があるとのことで、ギャグマンガながら恐ろしくリアリティがある。いや、ギャグでしか語ることができないレベルでのコンビニ業界のブラックさ加減が味わい深いのである。

 

そもそもコンビニ業界について、マンガや雑誌など出版業界で語られることが無い。何故なら、コンビニ批判などしようものならコンビニに本を陳列してもらえなくなるからである。まさに百害あって一利なしの内容を何故かマンガで読むことができるのだ。

 

本部へのロイヤリティ問題などもあるが、その中でも最もタブーだとされるのが「コンビニ会計」である。

本文にも書いてあるが、おそらくこの内容自体が非常に珍しいし、マンガで説明しているのは本作だけであろう。