監視資本主義

映画「サーホー」、10分程で見るのをやめる。うーん…これを見続けるのはキツイ…。

saaho.jp

「バーフ・バリ」前編・後編とも、あまりに面白過ぎたんで、ちょっと期待しすぎたな…。


映画『バーフバリ 伝説誕生』予告編

 

…それはそれとして、俺はスマホを持ってない。

理由は3つ。

 

ひとつは、単に本体料金と基本料金ともにガラケーより高いから。安くなれば乗り換えるかもしれない。そもそも、スマホのアプリの必要性をそれほど感じていないのでガラケーで十分。

 

ひとつは、モバイルとしての物理的機能性。ガラケーの方が携帯性・耐久性・バッテリーが長持ちする。ポケットに入れるならガラケーの方が小さいし、落としても画面が割れることはほとんどないし、そもそも画面が小さいのでバッテリーの消費が少ない。

 

最後の理由は、自分の行動履歴が他人に丸見えというのはなんか気持ち悪いから。


ネットで何かのサイトにアクセスした場合、そのスマホの緯度経度、電話番号などがサーバー側にわかる。
これはどーいうことか、といえば…例えばグーグルなりフェイスブックなりツイッターなりを一日何度も見たとする。このとき、グーグルなりフェイスブックなりツイッター側は、スマホ所有者の名前と住所はわからないが、そのスマホがいつどこでどのぐらい使用されたかは把握できる。つまり、朝晩同じ場所ならば、所有者の家が特定できるし、平日のオフィス街でランチを検索したなら、所有者の職場の特定も容易だろう。

 

そーいう話の、実際のグーグルやフェイスブックの開発者のインタビューで構成されたドキュメンタリーが興味深い。
■監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影

www.netflix.com

フェイスブック等のSNSで、イイネ!を20回程度押したなら、ここらへんですでにフェイスブック側がユーザーの好みを分析し終わっているという。友人関係、恋愛感情、食い物の好み、政治的思考云々、どの場所のどの時間でどの画面を何ミリ秒見たのか見なかったのか、どのリンクをたどったのか、すべて分析する。


その分析は別に個人を特定するわけじゃなく、AI含めたアルゴリズム(プログラム)が自動的に分析し、好みを割り出す。

目的は、個々人の好みをスポンサー側へ無意識的に誘導させるためだ。

個々人が見ている画面はすべて異なるが、ユーザー全員を無意識的にある方向へと導いていくのである。

 

え?自分はそんなことないって?…なら逆に聞くが、なぜ無料で使えるグーグルやフェイスブックが今やトヨタを凌ぐ大企業となり、一体何で儲けているのかを考えてみて欲しい。

 

上記のドキュメンタリーでも語られるが、グーグルで検索した結果は場所によって異なる。"地球温暖化"の検索結果など、どの場所で検索しようが関係なさそうなのに、場所によって結果が異なると紹介されている。

 

わかりやすい例とすれば、今日の昼飯何にしよ~かな~とグーグルで検索したとする。その時、そのスマホの緯度と経度の場所によって表示されるレストランは異なるし、さらに所有者の好みに応じた結果が表示される。

仮にスマホ所有者は過去のGPS分析から週に1度ぐらいの頻度でラーメン屋めぐりをしており、ここ一週間以上ラーメン屋に立ち寄ってないことがわかる。そして、これまで行ったことがないラーメン屋が近くに1件あるので、そのラーメン屋を検索上位に出してみる、という感じである。

 

しかも、この話がどこまでホントなのか、もっとエグいのか、意図的なものなのかユーザー側には全くわからないというのがミソでもある。その検索結果に妥当性があるか、ホントに人気順なのかは決して語られないし、語る必要もない。要するにグーグルは再度グーグルを使わせるために検索結果を表示しているだけの話である。

 

フェイスブックの場合(このドキュメンタリーでは説明が顕著だが)フェイスブックでフレンド登録している、あるいはフレンドのフレンド同士が物理的に近寄った場合、フェイスブック側から無意識的に近くのユーザーを意識させ、画面から目を離せなくさせる。

 

まあ、こーいうのはガラケーでも同じだが、俺はガラケーでブラウザを起動したことがないので、俺の携帯電話データは、キャリア会社の位置情報分析に使われる程度だろうとは思う。会話を録音して分析するほどの能力は今のところ無いとおもうんだけど…。まあ、携帯持つ以上はこの程度の覚悟は仕方ない。

 

グーグルでもツイッターでも何でも、巨大営利企業のサービスがなぜ無料なのか?
このドキュメンタリーのコメントが意味深い。
「無料ということは、ユーザー自体が商品として売られているということ」

 

もはやネットで検索できない店や商品・サービスは存在しないのと同義語になりつつある。
もうすぐグーグル眼鏡が登場するらしいが、その眼鏡をかけて街を歩けば、グーグルにとってカネなる道や店だけが表示されるおっそろしいメガネになるだろうと思うと、なかなかディストピアっぽくて面白い。
ちなみにフェイスブックの仮想通貨リブラが出たら、買うつもりだけどさ…。