松苗あけみの少女まんが道

子供の保護者会的なアレで他愛のない世間話をしてたら
「私、ワクチン2回受けたんですけど、直後に高熱が出たんですよね。。あ、これ言っちゃいけないかも知れませんけど…」
このタイミングからして明らかに医者か看護師だろう。
ま~…なんとも言えねぇ。。

 

 

…ワクチンはともかく、
少女漫画を読んでるオッサンは少ない。


戦後のマンガ黎明期から、マンガは男向けと女向けに分かれていた。
そもそもマンガは子供が読むものなので、男の子向けと女の子向け。
少年ジャンプ、マガジン、サンデーなんかは少年向けだし、りぼん、なかよし、別冊マーガレットなんかは少女向け。
20歳以上の年齢層の高い雑誌も性別は分かれている。
ビックコミックスペリオール漫画ゴラクも男性向けだし、kissとかoffice youとかは女性向けである。

 

ただ、バブル期あたりから、女性も男性向けマンガを読むようになったような気がする。"鋼の錬金術師"とか。最近では女性が男性向け漫画を読むのは普通になってきた。"進撃の巨人"とか。

 

しかし、男性は女性向けマンガをほとんど読まない。
なのでこの話を理解してくれるかどーかは心もとないのだが…。

 

松苗あけみ松苗あけみ 少女まんが道

かつて"ぶ~け"という少女漫画雑誌があった。

かなり分厚い月刊誌で、前半が連載漫画、後半がコミック3巻分ぐらいはあろうかという他紙連載の総集編、という変わった構成だった。

 

そもそも女性は男性よりもマンガを読まない。
さらに、マンガを読むのは基本的に22歳以下が多い。つまり社会人になるとマンガを読まなくなる。
女性の場合は精神年齢が男性より高いので、女子高校生になるとマンガを読まない人も多くなる。

 

"ぶ~け"の読者像としては、マンガ好きの女子高校生向け。
少女漫画は好きだけど小中学生向けの話はちょっとキツイ人向け、みたいな位置づけであった。

 

その"ぶ~け"連載漫画でひときわ異彩を放っていたマンガが
松苗あけみ「純情クレイジー・フルーツ」(純クレ)であった。

 

この純クレの主人公が一重瞼の三白眼というのも異彩であるが、話の内容は多少エキセントリックな女子高校生の日常+トタバタ・ギャグという感じである。
当時、一般的に少女漫画でギャグ要素は少なかった。恋愛ネタは必須であるが、この純クレにおいて恋愛よりも友情+マウントの取り合い+日常あるあるネタ、という感じであった。
今では珍しくはないだろうが、当時はかなり斬新で、大ヒットしたマンガである。

 

その純クレの作者、松苗あけみが漫画家デビューしてから純クレを連載するまで…30年以上前からの物語である。

 

主に登場する実在の漫画家は一条ゆかり内田善美
一条ゆかりは言わずと知れた超一流の大御所。"有閑俱楽部"をはじめ多作かつどれも面白い。一方、内田善美は知る人ぞ知る伝説の漫画家。俺は「草迷宮・草空間」で衝撃を受けたが、作品数も少ないし今では全て入手困難である。

 

松苗あけみ一条ゆかり内田善美を知っている人は読む義務がある…!
最後、"ぶ~け"の作家が松苗あけみから吉野朔美にバトンタッチするのも感慨深い。