グリーンブック

「グリーンブック」見る。よかったですよ。


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オバマ大統領就任直後から、こういう黒人差別問題を扱った映画は山ほど公開された。ハリウッドは山ほど脚本をストックしていて、状況に応じて製作して公開する仕組みであることは知られているが、それぞれ質が高いのにも驚かされる。

 

本作もまあ、紹介動画が全て説明してしまってるけども、
要するに黒人差別問題を扱った黒人と白人との友情物語である。

 

ほぼ全てが予定調和なんだけども、演出がウマイ。

 

極力説明は無いし、感情的な場面も極力抑えている。
ふとした行動、目線なんかで状況説明と感情表現をしている。

 

こーいうのを邦画ですると、セリフで説明したり、あからさまな演出で良くも悪くもわかりやすすぎるようにつくるだろう。

邦画の客層は凄いバカを想定する。
この人は怒っているのか泣いているのかを、真っ赤な顔で「怒ったぞ!」、泣きじゃくりながら「悲しいなぁ」とか、非現実な演出…まるで舞台演劇のようにわざとらしく演技させる。
そうじゃないと馬鹿の客にわからないと言わんがばかリである。

 

一方で、本作は演出は抑えている。
例えば、主役の黒人は裕福だが、ある場面でド貧困の黒人が労働している場面に出くわすのだが、お互い、少し手を止めて目を合わせるだけ。これですべてが説明されるようにできている。

 

無論、クライマックスになると感情の爆発はあるが、それは爆発せざる得ない状況がそうさせることでうまく誘導する。実にウマイ。

 

…ただ、俺なら残りの数分は蛇足だった。
俺が監督なら、最後、主人公の2人が雪の中、ひとりは車を降りて、ひとりは車に乗り込んで「メリークリスマス!」と去っていく。このシーンで終わらせるけどなぁ。。