3Dプリンタ顛末記 その1

コトの発端は、2人の友人の趣味がドローンだったことだ。
うち1人はドローン撮影でカネを稼いでいるので趣味の域を超えている。

 

とはいえ、所詮はオモチャ程度。
ガッツリ仕事としてドローンが使えるかといえば微妙である。
何かドローンで趣味と実益を兼ねたよーなコトができないかとテキトーに思いついたのが去年であった。

 

ドローンで測量ができる、というのは知ってた。
だったら家とか土地とか計測できるんじゃね?と知り合いの土建屋に相談したら苦笑いされる。
なぜなら
測量というのは国家資格があるように厳密に規定されてて、そもそも資格を持ってないと話にならない。
さらに実務経験がないと相手にしてもらえない。

 

というわけで、簡単な計測データから何ができるか?と考えた結果、
模型だったら3Dプリンタでできるんじゃね?

 

ドローンで建物を撮影して3Dデータ化し、3Dプリンタで模型を作ってみよう!

 

…で、まずはそもそもどーやってドローンで測量するんじゃ?と調べたら
意外と面倒というか、測量ソフトの金が高い。
基本、プロ仕様しかないのでン十万からスタートである。

 

色々と調べるうち、計測とは違って、複数の写真から3Dモデルをつくるソフトがあること知った。
その複数の写真から3Dモデルをつくる技術をフォトグラメトリという。

 

フォトグラメトリで検索すれば一発で理解できるが、椅子でも机でもクルマでも建物でも、とにかく対象となるモノを全方向から写真を撮りまくり、数十枚~数百枚の写真から対象物の立体データを自動的につくりあげるのである。

 

まず手はじめに、近所の公園にあった照明スタンドでテストしてみた。
安っすいデジカメで30枚程度の写真を撮ってみた。

で、次はこの写真から3Dデータに変換するんだが、そのソフトを調べると、
写真50枚なら無料でデータ作成できるソフト「3DF Zephyr Free」を見つける。

 

手持ちのノートPCだと必要なスペックにも足らないが、テキトーにやってみた。
細かい調整を抜きにすればやり方は簡単で、画面のボタンを押せば自動的に立体データ化された。

 


気が付いたところでいえば、地面が微妙に水平じゃない。
水平を自分で設定してやらないと、ナナメになってる。
もし3D印刷しようとすれば水平をとってやらねばならないんだが、その修正だけで意外とむづかしいことがわかった。
3次元を2次元の画面で動かすと、思ってもみない方向にズレるのである。

 

さらに、地面の高さが問題だった。

印刷を考えると、土台となる地面がちょっとあったほうがいいだろう。
地面というかゼロ地点をどこに設定するかは自由にできるのだが、地下は写真に写らない。なので、地下にあたる部分のデータは無い。

んじゃどーなるかといえば、側面は自動的に生成される。
つまり、地面以下は底が無い箱のようにデータが生成されるのである。
しかも微妙に縦横斜めで歪んでいるので、あとから垂直や直角なんかに修正するのは非常に厄介である。

 

この話…つづくよ…。