エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」見る。

原題everything everywhere all at once か…邦題もっと仕事しろよ。。


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前評判の良さに期待しすぎたなぁ俺…。

 

つまらない日常を過ごす主人公が突然、救世主として世界を救ってくれと言われる。今、自分が生きている世界以外の世界…かつて自分が選択しなかったすべての世界(いわゆるマルチ・ユニバース)が今の自分の選択にかかっている…的な物語。

 

とにかく、数秒ごとに場面転換したり、物語が2重3重に同時進行したり、石と石どうしが会話したり、下世話なエログロだったり、低予算ながら画面は異様に派手。ただしテーマは"家族愛"といういわば平凡な着地。

 

本作にノれる人とそうでない人とはかなり温度差ができちゃう一本だろう。俺は後者だったけど。

 

お話し的にはず~~~っと昔からある内容なんで、あっ、このタイプの話かと思た瞬間、俺ぁ冷めてしまった。この手のSFは何でもアリなんで、製作者側によほどの想像力か映像マジックか何かが無いとみてるのがキツイ。

 

こーいう世界観の場合、この世界を成立させているルールは何か?はちょっと面白かったりするんだけど、本作ではすべて何でもアリなんで、客観的世界観がもはや存在してない。なので、実は主人公の脳内世界だよと言われたら、それも否定できないつくり。

 

う~~ん、こういうのいっぱい見てきた気がするんだけど具体的に何だろう?と考えながら、ライムスター宇多丸による本作の映画評を聞いて、そうだった!と思い出した。
確かにアニメ「マインドゲーム」とほぼ同じだし、有名どころでは「マトリックス」と同じ。


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それに、全宇宙、全時空を超えて、結局は家族愛っていいよね~って着地ってなぁ…というあたりは確かにクレヨンしんちゃんっぽいといえばそうだ。

 

あ~…第95回アカデミー賞で11部門でノミネート、結果7部門で受賞ですか。。そーですか。。俺はノれなかったな。。俺がオッサンだから?

 

いや…まあ冷めると言えば冷めてるんだろうけど、仮にマルチユニバースが存在してるとして、世界Aと世界Bにそれぞれ存在する自分って、それってもう他人じゃね?と思うんだよね。。

本作では同時に世界A/B/C/D…に存在する自分が経験や知覚を一体化させてる描写があるんだけど、それって単に"気が散ってるだけ"のように見える。

もし、ホントに2人以上の自分の経験や知覚を一体化させた場合には、自我はもはや統合失調症状態になってとしか思えないんだけどねぇ…これって永井均の<私>問題と同じだよねぇ…とか考えちゃうので、俺はこーいう作品を見ちゃうと必要以上に冷めちゃうのかも知れない。